今の家づくりに思うこと
初めての家づくりはまず何から始まれば良いのだろうか?
日本は今後、人口も減り少なくとも20年先までは今の成人を迎える人たちや少子化の問題を考えても、どうしても頭の中をよぎってしまう。そんな中、住宅の着工数もおのずと減ってくることは紛れもない事実です。
中古住宅も700万棟とも750万棟とも言われており、リフォーム事業に力を入れていくハウスメーカーも増えていくでしょう。
でも、少し考えてください。身体に例えれば大事なものは、外見のシワでもシミでもない。心臓であり内臓であり、そして骨なのです。そう、身体も住宅も大切なものは同じことなのです。
内装、外装をきれいに張り替えてもダメなんですね。昔のコマーシャルで「ニオイは元から断たなきゃダメ」というのがありました。まったくその通りなのです。家で言えば土地、基礎、素材なのです。
建物に何の材料を使っていくかで家の寿命は大きく違ってくるのです。
もっと分かりやすく言えば腕の良い職人(大工)さんは、ホームセンターで丸ノコの刃を買うにしても、素人の方は1000円ぐらいの刃を買うと思いますが、プロの職人さんは10倍近くの価格の刃を買います。違いが分かっているのです。切れが違うのです。
プロの整備士だってスパナやドライバーなど、すべての道具は高いのです。美容師さんのハサミだって何十万円もするんですよ。100円のハサミを使っている美容師さんにあなたは任せることができますか?鮎釣りの竿にしても何十万もしますね。釣れた鮎の価値に違いは無いのに…、書家の使う筆も全然違いますよね。
すべてがそうなんです。自分の仕事に使用するものや、趣味の道具はやはり知れば知るほど、良いものが欲しくなるのが人間なのです。
家は初めて建てる人が多く、何も知らない人が如何に多いか。知らないから、デザインや色、型にしか目が行かないのです。本当は違うのです。「しっかり勉強して」と言っても、何を勉強すれば良いのか、それが分からないのが現状だと思います。
日本には日本の文化があります。素晴らしい家づくりの文化もたくさん残っています。日本人であればワインを語る前に日本の酒を語りたいものですね。
価値ある家づくりをしていきましょうね